スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

墓の下の柿の木

 牡蠣に“あたった”ことはないのだが、柿にあたったことがあるのは僕ぐらいだと思う。

 ひさかたぶりのブログ更新。
 最後の更新が九月二十七日のことらしいから、だいたい一ヶ月半ぶりということになる。
 その間、「生きているか」みたいなメールを何通かいただいたが、僕が死ぬわけがないではないか。仕事が変わってすこしばかり身辺が気忙しくなっただけだ。
 ある女性に「あなたのことは嫌い」みたいなことをいわれて落ち込んでいたせいもある。嫌いなものは仕方ない。

「柿の実を採ることを許可されたからその場所まで連れて行け」みたいななんだかよく意味がわからない電話が母からあったのはまもなく正午になろうとする時刻だった。
 ひさしぶりに十分な睡眠時間を確保し、「よっこら」とベッドからはいあがってカチカチとパソコンをいじっている最中だった。
 話をよく聞くと、渋抜きした柿が無性に食べたくなって親戚にその話をしたら、だれも食べないからお墓の近くにある柿の木から実を採っても差し支えないとの許可が降りた由、そこまで送迎して柿採りも一緒にたのむ、みたいな都合のいい話だった。その柿の木は小高い丘の上の共同墓地の少し下にある。
 僕にとっては東南アジアのどこかの国でワニとネコが喧嘩して困っている、みたいなどうでもいいようなことのように思えた。でもなんだかわからないうちに僕はそのことを了諾し、数十分後、母とふたりで墓地の下にある二本の木から柿の実をもいでいたのだった。
 輪廻――。ここの柿の木は“肥料”が豊富だからよく育つ。むかしはみんな土葬だったから、よく“人だま”もでたのだよね、なんてね。

 じつは僕がまだ幼いころ、父親とふたりでここにきて柿採りをしたことがある。
 とても寒い日で、ちらちらと雪が舞っているようなしぐれた日だった。柿の実もかなり熟していたからもう少し遅い時期だったのかもしれない。
 記憶というのはおもしろいものだ。母とこんなことをすることになって遠い昔のことが脳奥のハードディスクから呼び戻されるのだから。
 柿の木には登るな、もそのときに覚えたことだ。柿の木は「ポキッ」と折れやすい。
 むかし父とそんなことがあったと母に話してやったら、どこかの国でワニとネコが喧嘩をして困っている話を聞かされたような顔をしていたのだった。

 さて、柿に“あたった”話。
 父親とともに採ってきた柿を渋抜きして食べたのだけれど、その柿で僕は食あたりを起こしてしまった。
 それはひどい症状で、上と下から出るものすべてが出てしまい、しまいには胃液まででてくるような、“へずなくて、へずなくて(具合が悪くて、具合が悪くて)”のたうちまわるような苦しさだったのである。
 短い人生の中で、僕が食中毒らしきものに苛まれたのはあとにも先にもそのときだけで、それ以来、僕は柿がすごく苦手になってしまったのである。
 食べろといわれれば食べられないことはないけれど、自ら好んで食べることはいまでもない。
 父と一度、母と一度ずつ。
 柿嫌いなことを思えば、僕が柿採りなんかする機会はこの先もうないのかもね。嫌いなものは仕方ない。

/

【ブログランキングに参加しています】

人気ブログランキングへ
にほんブログ村 地域生活(街) 東北ブログ 岩手県情報へ
にほんブログ村へ

スポンサーサイト

コメント

RE:旅人さん
人生楽しいこともくだらないこともあるもんですが、この数ヶ月はくだらないことが集中しましたね。
これから機運は上昇するでしょう(はずです)^^;


  • 五郎
  • 2014/12/02 02:04

RE:kakoさん
へえー、アメリカにも柿って売ってるんですねー。
柿食べるの日本だけかと思ってました。
たくさん食べましたか? 体によさそうなのはわかるんですが、僕はどうも不得手で・・・

  • 五郎
  • 2014/12/02 01:59

RE:待合室さん
贔屓目なのかもしれませんが『息子』は何度観てもいい映画ですね。僕はDVDも買いました。
故郷はまもなく本格的な冬に突入、長い我慢の生活がはじまります。

  • 五郎
  • 2014/12/02 01:55

RE:kitaguniさん
な〜んだ、こっちに来るなら連絡くださいよ〜!水くさい。
写真撮るとよさそうなところ案内したのに^^
僕は引きこもってたわけじゃないんですが、なにをしても裏目にでる日が続いてまして・・・^^;

  • 五郎
  • 2014/12/02 01:50

RE:涼さん
この地は東北でも有数の「極寒地」ですが、柿の木は普通にありますね。
ただ甘柿はありません。皆無です。育たないんですかね? 涼さんは南の方にお住まいなのでしょうか?

  • 五郎
  • 2014/12/02 01:46

RE:只ののんべいさん
はじめまして。
なんかうれしいです、感激してます(T_T)
今後ともよろしくお願いします。

  • 五郎
  • 2014/12/02 01:43

RE:hikaruさん
僕はどんな食べ方も苦手。
ただ酒飲みには柿はいいようで、二日酔い対策にはウコンよりいいかも?^^
忘年会のシーズンですね♪

  • 五郎
  • 2014/12/02 01:40

心配してました。
....ん....
そんな事があったんですか。
私も、....いろいろと....ね

ま、生きてて、安心しましたよ(^^)

  • 旅人
  • 2014/11/23 22:14

私は柿が大好物で、閑があると韓国のスーパーまで出かけて仕入れてきます。数日前にポンド89セントに
つられてまた山ほど購入!。。。。コメント書いていたら食べたくなってきちゃった、、、、食べよう。

  • kako
  • 2014/11/17 14:31

おひさしぶりです お元気そうでなによりです
以前 「息子」という映画のことが記事にありましたが、先日TVで見ました。懐かしの白に赤い線の県北バス 旧二戸駅などもう見ることのできない映像が見られました。なにか得した気分でした。ありがとうございます。

  • 待合室
  • 2014/11/14 19:26

お!久しぶりの登場ですね!
引き籠りしたって人生変わらない。それなら外出て大きく深呼吸すれば・・なんとか成るさぁ!
少し前、そこらへんをウロウロしました。。(* ̄m ̄)プッ
確かに柿の実が目につきました。
渋抜いた柿は大好きです♪

  • kitaguni
  • 2014/11/13 16:13

柿って、そんな寒い土地にも踏ん張っていたんですね。それじゃあ時に強烈な一発、お見舞いしそうです。柿の木は美しい木です。春の芽吹きの頃も柿のかわいい花もいいですが、紅葉した葉は絶品!!家の甘柿食べたら五郎さんも宗旨替えするはずです。でも難しい人かも?

  • 2014/11/12 07:40

生きてて良かった五郎さん。^^);  や、そんだけです。
在隣村の「岳の湧口」ファンより

  • 只ののんべい
  • 2014/11/10 08:22

 柿自体は結構好きなんですが、干し柿というのはどうも苦手です。あの見た目といい、味といい、何がおいしいのか皆目わからないですね(笑)嫌いなものは、大人になっても好きにならなかったものも結構ありますね。もうそれらのおいしさはわからないものなのかなーなんて少しさみしく思います。
 

  • hikaru
  • 2014/11/10 03:22