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スクープに違いない

 ただなんとなく、つらつらとまた駄文を書きつらねようと思う。つらつら、つらつら、紀貫之である。

 おそらくこれはスクープに違いない。
 僕は今日、ある動物の生きた姿を写真に収めることに成功したのである。
 なにを見たのか、なにを写真に収めたのか。
 それは腹周りが大人の腕ぐらいあって数メートルも飛び跳ねて戦いを挑んでくると恐れられる幻の蛇、ツチノコの姿でもなく、じつは本州にも棲んでいるのではないかと噂されるヒグマの姿でもなく、「でたぁ」と役場からの「緊急放送」がしょっちゅうあるものの、僕はいったい鉄砲をかついで外出すればいいのか、はたまたハチミツを持参してでかければいいのか判断に迷うことがあるツキノワグマの姿でも、あるいは山小屋に一人、逼塞して暮らしながら日夜出刃包丁を研ぎ、彷徨える旅人をひたすら待っている山姥の姿でもない。ニホンジカである。

 この町にたわむるニホンジカを写真に収めたのは、おそらく全町民のなかで僕がはじめてではないのかと思うのである。名誉町民ものではないかと思うのである。
 この辺では、ニホンジカは山姥に匹敵するほど馴染みのない動物で、その北限はひと昔前までは大船渡市だといわれていたのもいまはむかし。それ以北でも目撃されたり農作物の被害があったりとの話は聞いていた。

 じつは昨年、僕は子供の鹿に遭遇したことがある。そのときは、とうとうここにも来たか、といった印象を持ったものだった。
 それはニホンカモシカのようにスングリムックリした下品な体型ではなく、かといって野良犬と見紛うはずもない、まさしくニホンジカの姿だった。
 体にまんべんなく白っぽい斑点があって、奈良公園とかにたくさんいて油断をしていると袋ごと餌を持っていかれる、あのニホンジカだったのだ。
 ただ、僕はそのときの姿を写真に収めたわけでもなく、「ニホンジカを見た。ホントだぞ!」と他人にはいうものの、それは一人で魚釣りに行って「逃がした魚は大きかった。ホントだぞ!」の域を超えず、笑い者の典型のようなものでしかなかったのだった。

 あれから一年以上がたつ。
 僕の暮らしに変わりはなく、色気づいた話もいまだに皆無である。今日も今日とて仕事が終わってから折爪岳の中腹にある入浴施設に通う。
 その帰り。やっ、やや。
 前方に見えるは……。あ、あれは、あれはまさしくニホンジカではないか。しかも三頭か四頭いる。この辺でははじめて見る光景だ。不思議な感じがする。奈良公園か金華山に来たみたいだ。スマホ、スマホ。「パシャ」
 これはスクープに違いないのである。この町にもニホンジカがやってきた。
 半年(以上)ぶりのブログ更新。

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